自分で経理が出来るようになる為に必要な事とは?
「経理を自分でやりたいけど、経理って独学で学べるの?」
「経理を独学しようと思うけど、どこから始めて、何を学習すればいいの?」
ビジネスを始めたばかりの頃には、なるべく支出を抑えるために、先ずは自分で経理業務を行いたいと考える人も多いと思います。
本記事では、経理を初めて学ぶ方のスタート地点となるように、「会計」や「経理」に係る基礎的な言葉や経理業務の全体像をご紹介します。
この記事で得られる事
- 経理学習を始める為の基礎知識を得る事が出来る
- 経理業務の全体像を知る事が出来る
- 経理を自分で行う為に何を学ばなければならないかを知る事が出来る
目次
そもそも会計・経理とは何か?
まず初めに「会計」「経理」という言葉の意味を整理しておきましょう。
「会計」「経理」の意味と両者の違い
小学館が発行する国語辞典では、以下の通りそれぞれ説明がなされています。
- 会計
- 金銭の収支や物品・不動産の増減など財産の変動、または損益の発生を貨幣単位によって記録・計算・整理し、管理および報告する行為。また、これに関する制度。
- 経理
- 会計・給与に関する事務。また、それを処理すること。
両者は、非常に似た意味を持つ言葉であり混同して使われる事も多いと思いますが、上記を参考にすると、
「会計」とは企業活動に限られない広い概念なのに対し、
「経理」とは企業活動に限定した狭い概念であることが分かります。
より分かりやすく表現すると、以下の様に説明できると思います。
「会計」とは、様々な活動を「お金」という数値を用いて「表現する」事全体を指す広い言葉。
「経理」とは、会社や事業活動における事務や処理を指す言葉(特に会計・給与に係る)。
非常に大雑把な事を言えば、会社や事業の「会計」の為に、日々「経理」という事務処理を行うと表現する事が出来るかもしれません(会社や事業の活動をお金という数値を使って表現する為に、日々「経理」という事務処理を行う)。
経営者やフリーランスはどちらを学べばいい?
事業活動を実施している経営者やフリーランスの方々がまず必要としている事は、「経理」です。
「会計」と「経理」は、密接に関連しており、どちらもある程度の知識を持っている方が好ましいでしょうが、会社や事業の運営に日々必要とされる「経理」の基礎を身につける事が先ずは大切だと思います。
既に見たように、経理業務は、会社の会計・給与に関する全ての事務や処理を含むため、様々な業務を含んでいます。
より具体的に経理業務を示すと、以下の通りです。
- 会計帳簿の記録(記帳)
- 請求書の発行業務・支払い業務
- 現預金の入出金管理
- 給与関連業務
- 決算業務(決算書の作成)
- 税務関連業務
事業内容や実施形態(法人 or 個人事業)により、業務量や難易度は異なると思いますが、自分で経理を行う場合には、上記作業を一人でこなしていく必要があります。
当然、事業が軌道に乗った後には、経理担当者を雇用したり、顧問税理士と契約する事となるでしょう。
本サイトでは、事業が比較的小規模な段階で、自分で経理業務を行いたいと考えている方をサポートする記事を講座形式で掲載しています。
尚、本サイトでは、経理業務のうち「会計帳簿の記録」や「決算業務」を中心に記事を執筆しています。(以下、「会計関連経理業務」と記載します)
記事をご覧頂く事で、ご自身で会計帳簿の記録を行い、決算書の作成を行う事が出来るようになります。
会計帳簿の記録と決算書を作成する目的は?
会計帳簿の記録と決算書を作成する代表的な目的は、以下の通りです。
- 自分の事業がどれほどの利益や損失を生み出しているのか、又、どれほどの財産を有しているのかを知る為
- 自分の事業の状況を、他人に伝える為
- 売上高や費用の状況を把握・管理し、業務改善のヒントを得る為
- 正しい利益を計算し、適切な税務申告を行う為
詳細は別の記事で記載しますが、1と2の目的を果たす会計を「財務会計」、3の目的を果たすものを「管理会計」、4を「税務会計」と呼んでいます。
適切な経理業務がもたらす効果
ともすると経理業務は、「面倒くさい」「単なるコスト」という様に、ビジネス拡大に貢献しない仕方なく発生してしまう業務という印象があるかもしれません。
しかしながら、自分の事業がきちんと利益を生んでいるのか?どれぐらいの財産を保有しているのか?を正確に把握できなければ、適切な経営判断は下せません。大げさに例えるならば、適切な経理がない状態は、目をつぶって車を運転するようなものです。
また、適切な会計情報をもとにした事業分析は、効果的な業務改善につながります。売上高拡大や収益性改善に貢献する事が出来ます。
適切な経理業務は、業績改善という前向きな価値を生む大切な業務です。
税務申告との関わり
事業活動上の義務である、「納税」を適切に行う為には、しっかりとした経理業務が欠かせません。正確で正しい決算書がなければ、正確な納税金額を計算する事が出来ないからです。
適切な「納税」を怠った場合には、追加の税金を支払う必要がある為、正しい会計帳簿に基づいて正しい決算書を作成する事は重要です。
具体的な会計関連の経理業務
ここまで、経理の概要のお話をしてきましたが、より具体的な会計関連経理業務の内容をご紹介します。
- 日々の取引の記録
- 「記帳」「仕訳の計上」等とも言われます。事業活動で生じた全ての取引を「一定のルール」に従って「仕訳帳」に記録します。この一定のルールは、「簿記」と言われており、後ほど学習します。全ての取引が記録された「仕訳帳」は、「決算書」作成の基礎となる重要なデータベースです。
- 決算整理
- 日々の記録を合算するだけで決算書が作成できれば一番良いのですが、決算書を作成する為には、日々の記録に追加して調整の為の仕訳を計上する必要があります。これを「決算整理」や「決算整理仕訳の計上」といいます。
- 具体的には、「減価償却費の計上」「引当金の計上」「費用収益の見越し・繰り延べ処理」等があります。詳細については、別の記事で学習します。
- 決算書の作成
- 仕訳帳と決算整理仕訳を基に決算書を作成します。決算書は、「貸借対照表(BS)」「損益計算書(PL)」が代表的なもので、作成が必要となる決算書の種類は、法人か個人かなど、事業を行っている形態によって異なります。詳細は、別の記事で学習します。
経理を自分で行う為の具体的な学習項目
これまで経理に触れた事ない人が経理を学習する際には、「何を学習したらいいの?」「何から始めたらいいの?」と迷われると思います。挑戦者サポーターでは、「初心者でも経理が自分で出来るようになる独学講座」として以下のコンテンツを掲載いています。是非、経理の独学にご活用ください。
No | タイトル |
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1 | 基礎用語の解説と経理の1年間の流れ |
2 | 簿記とは?「単式簿記」と「複式簿記」 |
3 | 簿記とは?② 「複式簿記」を徹底解説 |
4 | 記帳で使う帳簿を学ぼう。「主要簿」と「補助簿」を徹底解説 |
5 | 伝票制度とは? |
6 | 勘定科目講座① 「貸借対照表(BS)」「損益計算書(PL)」の基礎 |
7 | 勘定科目講座② 資産項目 |
8 | 勘定科目講座③ 負債項目 |
9 | 勘定科目講座④ 収益項目 |
10 | 勘定科目講座⑤ 費用項目 |
11 | 具体的な取引と仕訳例 |
12 | 決算整理とは? 主な決算整理事項を解説 |
13 | 決算書とは? 決算書の種類と作成が必要な決算書を把握しよう |
14 | 貸借対照表とは? |
15 | 損益計算書とは? |
16 | 具体的な決算書の作成手順を理解しよう |
17 | 会計の基礎原則を理解しよう(会計理論の確認) |
18 | 会計処理を規定する関係法令や基準を理解しよう |
19 | まとめ |